ベトナム国債と社債

    ベトナムの国債市場

    1.国債市場の概要

    ベトナムの国債市場は、アジア開発銀行( ADB : Asia Development Bank )の報告書によれば、 2008 年 12 月現在のベトナム国債の発行残高は 217 兆ドン( 124 億米ドル)で、昨年に比べ 41.9 %増加しています。

    発行主体は 、財務省とベトナム開発銀行( VDB: Vietnam Development Bank )になりますが、 2008 年 9-12 月の期間では、 VDB による発行残高が 10.9 兆ドン、財務省による発行残高が 10.4 兆ドンとほぼ同程度の割合になっています。

    発行残高を GDP 比でみると 2007 年で GDP 比 13.7 %と近隣アジア諸国のそれと比べると国債依存度はまだまだ低いと言えます。

    種類については、 1 年の短期国債の他、 2,3,5,7,10,15 年物があり、入札を通じて発行されます。流通市場は、主にハノイ証券取引センターにて取引されますが、まだまだ流動性が低いのが実情です。国債の主な購入者としては、国内の商業銀行か保険会社で、満期保有の傾向が強いようです。

    図 4 :国債発行残高の GDP 比

     

    2.国債の格付

    国際的な格付機関による格付状況は以下の通りです。

     

    図 5 :格付機関による格付状況(2009年3月時点)

    機関名

    格付

    アウトルック

    格付日

    スタンダード&プアーズ

    BB

    negative

    May-08

    ムーディーズ

    Ba3

    negative

    Jun-08

    フィッチ

    BB-

    negative

    May-08

    格付投資情報センター( R&I)

    BB

    stable

    Apr-09

     

    3.近況

    2008 年後半から景気対策のため、国家中央銀行が、政策金利を 2008 年 10 月以降 6 回に渡って引き下げ、一時 14 %あった基準金利も、 2009 年 2 月より 7 %となっています。国債の金利も同様に低下し、一時は 18 %ほどあった 2 年物国債利回りも現在は 8-9 %程度となっています。

    2008 年末から 2009 年にかけて政府は景気対策のための財政出動を行ったため、歳出も膨らんでおり、国債発行による資金調達も重要になってきた一方で、低い国債利回りが国内外投資家にとって、相対的に魅力のないものになっているのは事実のようです。

    2009 年に入って行われた国債入札のほとんどが不調(フェイル)に終わっており、政府としても歳入不足を補う手段としての国債発行による調達について積極的に取り組んでいかなければならなくなりました。

    その一環として、 2009 年 3 月には 300 百万米ドルの米ドル建国債の入札を行ないました。