ベトナムの投資環境

    法人所得税(CIT)

    A) 標準課税

     2014年1月以降は標準法人税率を25%から22%に下げることと、中小企業の適用法人税率を更に20%に下げることが実施された。

    旧法人税法対改正法人税法の対比
    法人税率 旧法人税法 改正法人税法
    (2014年1月9日施行)
    改正法人税法
    (2016年施行予定)
    標準税率 25% 22% 20%
    優遇税率 10% 、 20% 10% 、 20% 17%
    石油・ガス・その他の稀少資源の
    開発業者における法人税率
    32%~50% 32%~50% 32%~50%

    法人税の算出方法

    ベ法人税の算出方法

    B) 優遇措置

     奨励投資分野あるいは奨励投資地域への投資に関しては、その度合、一定条件に応じて優遇税率が適用される。

     同優遇規定は基本的に利益が出た年からの免税措置(免税期間+半減税期間)である。同措置は投資法また税法の施行細則に規定されている投資分野または投資地域により与えられる。

    法人税の優遇税制概要 (2014年1月時点)

    法人税の優遇税制
    税率 条件 税率適用期間 免税期間 50%減税期間
    22% 標準税率
    以下以外の全ての企業
    全期間
    20%
    1. 社会的・経済的困難地域への新規投資プロジェクトによる所得
    2. 高級スチールの生産、省エネ商品の製造、農林水産業・塩業界向けの機械設備の生産、灌漑設備の製造、家畜・家禽・漁業向けの飼料の生産・精製、伝統業開発を含む新規投資プロジェクトによる所得
    10年間 最高2年間 4年間
    農業共同組合及び共済組合による所得 全期間
    10%
    1. 特別社会的・経済的困難地域、経済特区、ハイテク・パークへの新規投資プロジェクトによる所得
    2. 科学技術研究開発、ハイテク法に基づく投資優先分野のハイテク名目に属する。
      • ハイテクの育成、ハイテク企業の創出。ハイテク法に基づく投資優先分野のハイテク名目への投資。ハイテク育成、ハイテク企業創出の施設建設への投資
      • 法律に基づく国家の特別重要インフラ開発への投資
      • ソフトウェア製作分野
      • 組立材料・軽量建設材・希少材の製造
      • 再生エネルギー・クリーンエネルギー・廃棄物処理からのエネルギーの生産。バイオテクノロジーの開発。自然環境保護
    3. ハイテク法に基づくハイテク事業、アグリハイテク事業による所得
    4. 次のいずれかの条件を満たす新規投資の製造分野(特別消費税の課税対象製品、鉱業開拓事業は除く)
      • 投資総額が6兆VND以上かつ、投資ライセンス発行後3年以内に払込完了し、また売上発生年から3年以内に売上規模が10兆VND/年に達するプロジェクト。
      • 投資総額が6兆VND以上かつ、投資ライセンス発行後3年以内に払込完了し、また3,000人超の労働者を雇用するプロジェクト。
    5. 教育訓練・職業訓練・医療・文化・スポーツ及び自然環境保護事業による所得
    15年間 最高4年間 9年間
    1. 住居法53条に規定される対象者への不動産賃貸・売買を目的にする低収入向けの住宅の投資・運営プロジェクトによる所得
    全期間
    • (注1)免税期間は、最初の3年間は課税所得が生じる場合、該当年度から適用される。
      最初の3年間に課税所得が発生しない場合、4年目以降、課税所得の有無にも関らず、免税期間が4年目より適用される。
    • (注2)企業は投資ライセンス上において法人税の優遇対象であっても、法人税法、会計法、関連法律に規定されるインボイス・証憑制度を実施しなければならない。

    C) 課税所得の計算

     課税額計算の基礎となる課税所得は、監査済財務諸表の税引前利益を基礎とし、損金不算入項目などの税務上の調整項目を加減し算定される。 ベトナムの法人税法上の損金に関する規定は日本のそれと違い、損金算入項目に対して規定する形を取っているが、税務上の調整項目(税務上の扱いと会計上の扱いの差)につき、規定が曖昧であるために税務当局との解釈の違いが生じるケースが多い。

     また、規定が未整備な部分に関しては個別に税務当局への確認を要するため、税額の確定に時間を要するケースも多々見受けられる。

    D) 益金

     事業所得の他、利子所得、資産の譲渡所得、ベトナム国外源泉所得なども含まれる。

    E) 繰越欠損金

     欠損金の繰越は5年以内、繰り越すことができる。欠損金の発生した年の翌年からカウントされる。繰戻しは認められない。但し、優遇税制による免税期間・半減期間も欠損金の繰越限度である5年間のカウントに含められてしまう。

    【留意点】
     欠損金の繰り越しは権利であるが、欠損金が繰り越した後、まだ欠損金が残る場合に、外国への配当送金が認められない。